[時計の針]

高校の頃、友達の家に泊まりに行ったときのこと。
近所にその友達の通っていた中学があったので、肝試しというわけでもないけど
夜中に行くことになった。

夜中の学校はそれなりに雰囲気があったけど、特に何かあるわけでもなく、
校庭で話し込んでた。
ふと校舎を見たら1階の角の部屋(教室ではなく、用務員室のような部屋)が
チカチカ光っていた。
電気が消えている部屋でTVをつけている感じ。

「用務員さんか?」でも人の気配は無い。
小石を拾って皆でその部屋に軽く投げてみた。
何回か投げていたら、俺の投げた石がコツンと窓に当たった。
その瞬間にチカチカが止んだ。

少しあせったが誰も現れることもなかった。
ふと校舎を見上げたら、時計の針が凄い勢いでぐるぐる回っていた。

ま、結局何も起きなかったんだが。

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