[風俗嬢の乱心]


風俗嬢から残り時間十分の間に聞いた話。

友人5人でその風俗嬢は肝試しに行ったらしい。ライトバンに4人とバイクで一人。
目的の場所は何処だったか失念したが、廃ホテルかなんかだったと思う。
結構ノリノリで目的地に着いた彼女達。
中にはすんなり入れたし、暗くて怖かったが外に出るまでは何の怪奇現象も無かったらしい。
ちょっと物足りなく思いながらもライトバンとバイクに乗り込む5人。
そこからが始まりだったと言う。
先導する形で先に走り出したバイクが後輪から浮き上がって(ウィリーの逆と言っていた)吹っ飛んだ。
駆け寄った風俗嬢達にバイクのドライバーは「お前らが後ろからどついたんじゃねーのかよ!?」とキレた。
そこで風俗嬢は一気に身体が凍りついたと言っていたが、彼女はその後の事は
覚えていないという。
後から風俗嬢が仲間に自分のその後を聞いたらしいのだが、
その直後に風俗嬢はすんげぇ低いしゃがれた声で奇声を発して、近くの湖に
走ってダイブ。
ビショ濡れになりながら底に溜まった泥を手ですくってきて山を作り始めたらしい。
仲間は呆然としながらも身体を揺らして目を覚まさせようとしたのだが全く元に
戻る事無く、風俗嬢自身も知らない童謡をずっと歌い続けながら泥をすくってきて
山を作りつづけたという。
結局朝まで風俗嬢が元に戻る事は無く、明け方近くなってようやく風俗嬢が眠り、
そして目を覚ましたら元に戻っていたという話だ。仲間はそれまでずっと傍で風俗嬢を
見てる事しか出来なかったそうだ。

風俗嬢は笑って話してたけど俺はちょっと笑えんかった。

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