[何番目かの人格]

今から6年くらい前かな。まだ出会い系が電話での会話しかできなかった頃。
今ほどサクラも酷くなくて、それなりにメル友食いまくってたんだけど、20代前半の、自称2重人格者の女と出会った。
で、トントン拍子で仲良くなって(たまに別人格とも話たりした)、会うことになり、ドライブ行ったんだ。
見た目は普通。ただ年齢よりくたびれた感じ。ガリガリくらいだったけど、細いの好きなんで問題なし。ご飯食べてカラオケして、夜の海行ったらいい感じになったから、近くの公園に行った。

んで、キスしたりイチャイチャしてたんだけど、胸に触ったとたん、いきなり静かになった。
感じてるの我慢してるのかな?くらいに思ってそのまま胸に顔うずめて感触楽しんでた。
けどさすがに無反応だからおかしいと思って顔見たら。
無表情でオレを見てた。
なんかビビって、「どうしたの?」って少し震える声で聴いたら、「愛してるから…」って、やたら低い声で言われた。
ひいたよ物凄く。なんか手をつけちゃダメなもんに手だしちゃったみたいな後悔。
2番目の人格とも違う、3番目の人格だろうか…なんて思った。
彼女の人格?は、ちょいM気質な受け身の落ち着いた感じ。2番目は逆にやたらテンション高い。
オレは電話での会話から、彼女は2重人格者ではなく、たんに裏表激しいだけなんだと思ってたんだけど、ヤバい、この娘本物か?と思った。
オレはなんか困って、「はい」とか、間抜けな返事した気がする。
もうエッチなことする気もなくなったから、「ここだと、ひと来るかも」とか行って、そのまま彼女と待ち合わせしたところに戻って、なんか理由つけて別れた。
その後、自分の思慮の浅さに2日くらいへこんだ。彼女から電話きたとき、声や話し方はいつもの彼女に戻ってたから思い切って「あのとき…なんか、ゴメン」とか言ったら、彼女はカラオケの後半くらいから記憶が曖昧で、2番目出ちゃったかな?覚えてないんだ〜とか言われた。
その後、半月くらいでメル友やめた。彼女できちゃたからって言って。
彼女がそのときのこと覚えてないって言ったのは、本当なのか、それともひいちゃったオレの気持ちくんでなのかはわかんないけど、今でも思い出すとなんかほんとに申し訳ないというか、あの頃の自分を殴りたくなる。
あの直後から、一切出会い系はやらなくなったし。


次の話

Part111menu
top