[肩こり]

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下で友だちが迎えに来るまで佐藤さんとしゃべったりしていると友だちが来て、私は佐藤さんに挨拶をして友だちの車に乗りました。
佐藤さんは車が発進するまで玄関口で手を振っててくれてました。
そんな様子を見て友だちも「いい同僚さんがいるね。」なんて佐藤さんの事を誉めていました。
呑みに行って呑みながら色々話していると友だちが
「ねぇ、さっきのあなたの同僚さん、最近何か変わった事とかない?」なんていきなり聞いてきました。いきなりなんだろうと思って「どうして?」と聞き返すと友だちは少し考えたあとこう言いました。
「…うん。私さぁ結構不思議なものとか見える体質なんだ、昔からさ。」
「不思議なもの?」
「うん、霊とかさ。」
「えっそうなの!?」
「まぁあんまり人には体質の事言わないけどさ、気味悪がられたりするしさ。でもさ、さっきさ、あなたの同僚さん見た時さ、かなり酷い感じだったから聞いてみたんだよね。」
「かなり酷いって何が酷いの?」
「…憑いてる数がさ。あんなにいっぱいのせてると疲れが多分どっかに出てるんじゃないかと思ってさ。ちょっと数が普通じゃないから気になって聞いてみたんだよね。」

驚愕な事を聞かされました。
今までそんな可能性だとか全然考えてもいませんでした。
でもいきなり言われても信じれないので最近の事を佐藤さんに聞いてみようと思いました。友だちもそうした方がいいって言ってましたし…。
次の日、休憩時間にそれとなく佐藤さんに最近の事を聞いてみました。佐藤さんははじめ話すのが嫌そうな感じでしたが私の真剣な感じがわかったのかこう話してくれました。
「実は…。最近、家で寝ていたりすると耳元で誰かしゃべってる声が聞こえたり、金縛り?みたいなのにもよくなっていて…。俺は一人身だから、誰かの声がするだとかそんな事はありえないだろ。
なのにそんな声が聞こえてきたりするものだからちょっと精神がまいっているのかなと思って精神科にでも行こうと思っているんだよ。」と。
これを聞いて私も吃驚しました。友だちの言っている事が正しいとすれば声が聞こえてきたりするような事もあるかもしれません。私は昨日、友だちに聞いた事を佐藤さんに話してみました。

佐藤さんも少し半信半疑な様子でしたが、話を聞いている最中、ふと「そういえば…。肩凝りが始まった頃から変わった事が一つあるな。」と言い出しました。
それは何か私が聞くと「うん、いつも車で帰っているルートが今工事中で、最近はちょっと違う道を通って帰っているんだ。」との事でした。
でもそんなルートが変わったくらいでそんな現象が起こるものかどうかがちょっと二人とも?な感じだったので友だちにその事を話すと、知り合いの霊能力者を紹介してくれるとの事でした。
その事を佐藤さんに話すと佐藤さんはやっぱり半信半疑でしたが、とりあえず話だけは聞きに行ってみるという事になりました。
そして佐藤さんはその霊能力者の所まで相談に行きました。

相談が終わって帰ってきた佐藤さんは別人のように元気になっていました。
何があったのかいうと実は佐藤さんは霊を呼んでしまいやすい体質であった事、それと変わった帰りのルートが実は有名なスポットを通る事になっていたいう事、という事でした。
そのスポットを佐藤さんが通る事でそこに居着いている霊を知らず知らずのうちに引っ張り続けていたらしいです。
帰る道を変える事とお払いをしてもらう事で嘘のように肩凝りは消えたと言う事でした。
佐藤さんから聞いた霊能力者の話の一文が今でもとても強く私の記憶に残っています。
「帰る度にドスンドスンと重くなっていってた筈よ。トレーニングマシンの負荷が上がるようにね。
…でも大事にならなくて良かったわね。あのままその道通り続けてたら今きっとあなたこの世にいなかったかもしれないし。」

佐藤さんからはたくさんの御礼の品をもらいました(笑
不思議な事ってあるんですね…。


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