[踏ん張る犬]

田舎での話です。
農家のその家では雑種の犬を飼っていて、いつもトラックの荷台に
繋いでいたそうです。
ある日、そこの家の主人がトラックを動かすときに犬の存在を忘れ、
そのまま発進させました。
犬は、引き摺られながら必死に止まろうとしましたが、
引き綱が運悪く鎖で、さらにトラックの馬力に勝てるはずもなく
結局トラックの用事が済むまでずっと引っ張られ、
犬は懸命に足で踏ん張っていたそうです。
帰ってきて犬の足の裏を見ると、肉球は……骨が……という状態だったそうです。
その当の本人は、笑い話として語っていたのが、恐ろしいです。

次の話

Part104menu
top