[カーテンの向こう側]

前に母の話を書いた者だけど
今度は私が幼稚園のときの話↓

私は小学校に入るまで祖母の家に暮らしてて
そこでもたまに不思議な体験をしてたんだけど
ある夜に1階の部屋でくつろいでたら
掃き出し窓にかかっているカーテンが動いてることに気づいた。
何かがカーテンの向こう側から
こちらに向かって来ようとしてるみたいだった。
しかしカーテンの裏は掃き出し窓と雨戸があり
どちらも閉まってて外からの侵入は不可能なはずだ。
唖然としてる間にカーテンの向こう側の何かがいなくなったみたいで
カーテンは元通り静かになった。
それからちょくちょく夜になるとカーテンの向こう側に
何かが現れてこちらにカーテンをぐいぐい押してきた。
昼は掃き出し窓が開けられ網戸が閉められてたので
その謎なものと遭遇するのはいつもカーテンが閉められる夜だった。
隣に母がいる時それが来たときがあったので
カーテンを指差して「あそこに何かいる」と言って教えようとしたが
母が気づくとそれはいなくなっていた。
そして今度は夜ではなく昼にそいつは現れた。

ちょうど真昼に例の部屋でボーと開け放たれた掃き出し窓の
向こうを眺めていると犬の尻尾がぴょこんと下からでてきた。
おそらく柴犬系の犬だと思う。
犬だ!と思い急いで窓に駆け寄ったが
犬・・というか犬のしっぽはサッと下にひっこんでしまった。
しかも窓の下にもどこにもいない・・
すると外でここの窓の雨戸を拭いている祖父が
「なにしてるんだ?」と聞いてきたので
「犬がいるよ。」と言ったが
「犬なんて入ってこなかったよ。」と言い返された。
確かにこの家は周りが塀に囲まれていて
敷地への出入り口は一箇所しかなく、犬がそこから入ってきても
雨戸の掃除をしてる祖父が目撃するはずだ。
その出来事があってから夜のカーテンの
向こうからの訪問者も来なくなった。

あまり怖くないけど未だに不思議な出来事です。
他にも子供の頃は数えきれないほど
奇妙なことがあったのでまた書くね。

次の話

Part104menu
top