[ライターで幽霊ついてきた]

これは先日あったことなんだけど、俺ら暇な高校生は本当に夜中まで友達の家で酒飲んでダラダラしてることが多かった。その日も夜の12時位までいつものメンバー3人でダラダラしてたんだ。

そしたら突然ムードメイカーの野口がムクリと起き上がり、ライターをカチカチやりはじめた。
「これやってると、幽霊が集まってくるらしいぜ。」
ふん、くだらん。
そう思って寝ようとしたら野口の背中と壁の間から「あぁあ〜」って女の声がした。
3人ともビックリして飛び起きた。
野口は「わっ!」と驚いてライターを投げ捨てた。

部屋全体の空気が、冷たくなったのを感じた。

怖さを忘れるために、3人で「大乱闘スマッシュブラザーズ」をやった。すぐに盛り上がりにぎやかになったが、やっぱり三人ともさっきのことが気になっている様子だった。

2時くらいになってようやく自分達の家に帰ろうか。ということになり、俺と野口の二人になった。外は霧のような雨がふっていた。
おれはいつものように野口の自転車に乗せてもらって二人載りで帰った。
「森抜けて帰ってみようか!」と言う話になったので暗い獣道をしばらく走っていたら、急に野口が自転車を止めた。
俺「どうしたの?」

野口「そこに女の人がいるよ」

俺「ナンパしようかw!!どこにいるの?」
野口「そこにいんじゃんw!でもなにやってんだ?あいつ。様子がおかしいぞ。」

俺はゾッとした。野口が指差した木の根本にはなにもなかったからだ。しかも俺を驚かす為の冗談だろうと思ったのだが、明らかに野口は「それ」を見ていた。顔がマジだった。

野口「なにしてんだ?声かけてみよう」
と言って自転車を降りようとする野口を俺は必死で戻し、

「早く発進してくれぇ!早く(((;Д;))」

ともう恐怖で涙しながら闇夜に消えてしまいそうな友人を説得し、なんとか森を抜けることができた。

野口曰く
【木の根本でうずくまって、猫みたいに爪で木をひっかいている、髪の長い白い服を着た女の人】が見えたと言う。

そんなもん幽霊に決まってんだろうがぁ!お前に付いてきちまったんだよ!

そんなことがあってから、しばらくあいつには会っていない。学校にはちゃんと来ているようだが、なんとなくお互い顔を合わせたくない状況が続いている。

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