[霊感テスト実践]

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そこには父親がいた。
何かがいた事にも驚いたが、それでも何か得体のしれない幽霊のような
おぼろげな雰囲気のものがあると仮定していただけに、しばらく思考が止まってしまった。
父親の外見は何故か酷く老け込んでおり、自分の方を向いてはいたが
自分を透かして全く何も無い空間を見ているような目をしていた。
それともう一つ気になったのだが、父親は身長ほどもある大きい出窓を背負うように立っていたのだが、
その出窓の奥にも、父親以上に不可解なものを感じた。
それのほうは漠然としていて、「正体不明」といった感じだが
酷く暗く、埃臭く、その方向にはとてもじゃないけど進む事ができなかった。
ただ、逆にそっちの方向に進みさえしなければ 自分は安全でいられるという確信もあった。

そこで現実に帰った。もう一度そこからスタートしようと試みるも、
今度は酷く霞がかかっており、「ただの想像の家」でしか感じられず
無論そこには何も居なかった。


たった今思い出した事だが、踊り場から右の階段に行くと 兄と姉の部屋
左に行くと、自分と父親の部屋に行く道だった。
それともう一つ、
父親のいる方向に一歩でも進んでいたら、父親は自分に気づいただろうし、
そうなったら自分はどうなっていたかわからない。


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