[人影とノック]

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あぁ、この音のせいで目が覚めたんだなと思ったんだけどその時はその音の出所がどこかは分からなかったんだ。
最初、家族の誰かが一階で歩いてる音なのかなと思ったんだがこんな深夜に家族が歩いてるってのも考えられないし、
それに歩いてる音じゃないよなと思ってたら、また「トントン」って音が聞えた。
その時にこれは誰かがノックをしてる音じゃないかと思って、部屋のドアまで歩いていこうとしたんだ。
こんな時間に部屋をノックしてるってのもオカシイんだけどその時は目が覚めてすぐだったし何の疑問ももって居なかった。
で、ドアに近づこうとした時にまた「トントン」って聞えたんだけどその時にようやく、
それがドアからじゃなく、後ろの窓から叩かれてる事に気付いたんだ

それに気付いた時、俺の頭は思考停止状態になったよ。だって俺の部屋は二階にあるわけだし
窓からノックってありえないシチュエーションだろ。(ドラマとかだとこういう場合、遊び友達がいるんだろうけど
俺の友達にはそういうタイプはいないし、それに俺に部屋の場合、地上から建物の構造上上がってくるのはまずない)
しばらく思考停止状態が続いたんだけどそれでも段々と意識が戻ってきた。
だけど意識が戻ってくるのと同時に怖くなったしパニックにもなった。
カーテンが閉まってるから誰が叩いてるか分からない。
「何だろう、泥棒だろうか、でも泥棒なら自分の居場所知らせたりしないし、なら、強盗だろうか、
そのままドアを開けたら強盗が押し入るかも知れない。でも、それでも変だよなぁ… 」そう考えてると
「ドンドン!!」っていきなりノックの音が強くなった。


まるでノックというよりはグーで叩いてるような感じ。それも凄いデカイの、窓が揺れてたし。
急に音がでかくなったから俺もまた固まっちゃたんだけどおかげで意識ははっきりしてきた。
これは、流石にどうにかしないと色々ヤバイ(近所迷惑だし、窓が壊れるかもしれない。


とにかく、怖かったけどそれよりも現実的な事を考えてた。)と思って、
結局、カーテンを開けることにしたんだ。(この時、なぜか家族には知らせようとは思わなかった。)
護身用に部屋にあったバッドを持って、次のノックと同時にカーテンを開けようと思って窓に近づいていったよ。
で、「ドンドン!!」ってなったんでカーテンを思いっきり開けて見てみたんだよ。

そしたら誰も居ない。俺がカーテンを開けたからどっかに潜んだのかなと思ったんだけど
ノックの音がしてからすぐ開けたし、それにこのベランダに隠れるような場所なんてないはず。
もしかしたら、屋根に上に居るのかと思って、バッドを持って、屋根の方を見たけど、そこにも誰も居なかった。
結局、ベランダには誰も居なかったんだ。何だったんだ…と思って、田んぼの方を見たんだけど
さっきの人影も消えていた。

結局、この話はこれで終わりです。 人影とノックの音が関係あるのかも分からないけど
その日に起きた不思議な事を書いてみました。ちなみにこれも関係ないかも知れないけど
次の朝、ウチの庭でノラ猫が死んでました。


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