[夢の中のピエロ]

怖い話ではないけど、私が実際に見た夢について有りのまま話す。
小学生くらいの頃のある夜、私は夢の中で酷くうなされていた。
その夢の内容というのは、私がある真っ暗な洋館の中で、クロックタ
ワーのシザーマンが持っているような大きなハサミを持ったピエロ(真
っ赤な鼻)に追い掛け回されるというものだ。
私は、夢の中で気絶しそうな程の恐怖感を感じながら必死にそいつ
から逃げ回っていた。

私は体を切り刻まれながらそいつから逃げまどっていたが、余りの
恐怖の為、「死んだ方がマシ」と思うようになり、発作的に洋館の窓
から飛び降りて自殺を図った・・・が気がつくとまた生き返り、例のピ
エロに追いかけられる。何度自殺しても、延々と同じことの繰り返し。
私は、その時なぜかこう思った。「夢なら覚めてくれ」。
私はなぜか夢の中で、これが「夢である」との確信を持っていた。
「こんな事が現実であるはずがない」、そう思った私は、夢の中でこう
絶叫した。「夢から覚めろ!!」と。
不思議な事に、その叫びとともに私は夢から覚めた。
私は、これが夢の中で起こった出来事であった事に胸をなでおろしつ
つ、ともかく心臓の鼓動を鎮めようとした。

私は、家族にこの事を話すと、「そんなことがあるわけない。お前、嘘
ついてるな?」等と言われたが、私は意に介さなかった。
その夜、私はいつものように眠りにつき、再び夢を見た。
私は夢の中で心臓が破裂しそうになった。
私はまた例の洋館にいて、例のピエロが後ろ向きに立っていた。
どう考えても、昨日の夢の続きじゃないか!
そいつは、急にこちらを振り向いてこう言った。「昨日の続きですよ」。

私は夢の中で心臓発作でも起こすのではないかと思うほど恐怖したが、
今度はなぜかその瞬間に目が覚めた。
私は恐ろしかったので、その日は朝まで寝ずに起きている他はなかった。
思い起こせば、当時は、クリスマスの夜でもないのに、「シャンシャンシャン」とい
う鈴の音が夜寝る時に耳元に聞こえてきて、徐々に音が大きくなったりと
か奇妙な体験をしたことがあった。が、今はそういうことは全くない。
以上、実体験を有りのまま書いたので、オチとかないけど勘弁して下さい。

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