[アメリカにて]


17歳の時、父親の転勤でアメリカに住んでいた。
もう8ヶ月ぐらい過ぎた頃には、両親も私に1人で留守番を任せる事も気にならず
夏の暑い日、1人で家でつまらんテレビを見ていた。
するとチャイムが鳴ったので、除いてみたら、帽子に作業服の男が立っていて
早い話しが「修理に来ました」と言った。
洗濯機が壊れたので、明日修理工が来るとは聞いていたが、今日来るとは思っていなかったので
「明日来るはずでは?」と聞くと、「親御さんから電話があり、今日に変更ということで」
と言われた。車も制服もちゃんとしてるし、色の薄い黒人でガッチリとして185cmくらいの
目の青灰色の男だったが、家に入れた。

で、その修理工は私に洗濯機のある場所を聞いたので、案内した。
修理工はものものしい道具をジャラジャラ出して修理を始めたのだけど
万が一盗みをしたり手抜きをしないように、私も側で見ていた。
だけど20分位立つと、その黒人の修理工が大きい目でチラチラチラチラ舌から見上げて
目線が合うので、なんか居づらくなって、私の部屋はドアを開けた状態なら
洗濯機が見えるので、部屋に行って修理工の様子を見つつ、明日の予定などを
ノートでチェックしていた。すると、15分ぐらいして私も修理工の事を忘れて
ノートに没頭していた頃、修理工が「すいません、この金具が見つからないのですが
無くしませんでしたか?」と変なネジみたいのを私の部屋の前で見せて来た。
そんなネジ見せられても私は洗濯機の裏側だか内部など見た事無かったので
「わからないです。でもネジが見つかった事はないです」と答えて
あまり部屋を見られても恥ずかしいので、私が一歩下がってドアを少しだけ
ゆっくり閉めようとした時、修理工が素早くチラチラ回りを見た後
無理矢理ベッドに私を押し倒して来た。私は絶叫したのだけど、横にあったクッションを
顔に押し付けてきて、ワンピースの中に手を入れてきたので、これはレイプされると
思って、こんな奴に処女取られてたまるかと、修理工の股間の辺りを蹴ろうとしたけど
体重をのせてきたので、重くて足が上がらない。黒人の身体固い、思い!白人やアジア人みたいに
プニプニしてない。そこで、わざと私は降伏したかのように、ためしに全身の力を
抜いて黙ってみた。どういう態度をとるかと思って。

そしたら、そいつが力を抜いてブラの上あたりにキスしようとしたのがわかったので
クッションが顔にのっていながらも両手を隙をついて出して、見えないけど修理工の両目の
あたりを思いきり親指の腹で突いて、修理工が両手でOhaahと裏声で叫んだ途端に逃げて
ダメモトで父親が外人からもらった飾り用のライフルだかショットガンだか呼ばれる
長い銃取って、追いかけてきた修理工に向けて「警察呼ぶよ」と言ってみた。
絶対持ち方間違ってるし、安全装置とか、絶対ニセモノってバレてたかもしんないけど修理工は
銃をチラチラ見た後「OK OK, all right」と言って、目押さえて逃げた。
車のナンバー見るのすっかり忘れていた。
でも、警察とか父親に話して修理工が銃持って復讐しに来て皆殺しに来たらどうしよう、とか
黒人て銃でなんかしそうだし、低い給料で唯一の仕事だったので解雇されて
恨まれたらどうしようとか余計な事考えまくって、第一恥ずかしいし、ヘタレな自分は
結局誰にも言えなかった。
洗濯機は元の位置に戻っていたし爆発物付いてたりしてと考えそのまんまにしたのだけど
私はさりげなく父親に、「明日修理に来るんだよね」と聞いたら、「そうだ」と言った。
変更の電話など嘘だった事がわかった。でも、手の込んだロゴ付きの車といい
何を考えてるんだ。次の日、ちゃんと修理工が来た。洗濯機の事は何も言われなかった。
あの基地外は壊れたまんまにして行ったらしい。あの時、通報していたらどうなっていたのだろう。
シャツに書いてた筆記体のネーム刺繍は最初のDという大文字しか目に入ってなかったし。
以上。地味な人生で、唯一映画みたいな体験がそれ。ケープ・フィアーみたいな映画見ると
思い出す。でも次の年に日本に帰ったよ。なんだかんだいって、日本いいわ。やっぱり。。携帯でかくないし。

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